2020.07.30
2011年の東日本大震災の後、社員の離職が多かった時期があり経営課題として「社員が生き生きと働ける職場作り」に取り組む必要がありました。
また、2009年ごろから大卒・高卒の新卒採用に積極的に取り組むようになったことも会社が変化するきっかけとなりました。特に新卒女性社員が急速に増え、男性だけでなく女性社員にも活躍してもらいながら若い社員が生き生きと成長でき、長く働ける職場環境整備に取り組む必要が生じました。
【働きやすい職場環境】
・社員の家族を巻き込んだ野菜作りプロジェクト「はぴねっと」。経営方針に掲げている「しあわせ・ゆとり・豊かさ」を味わうために社員だけでなく社員の家族も巻き込んだ活動です。本社敷地の一部に「幸耕園(さいこうえん)」と題した憩いスペースを設置、畑で家族と野菜作りを楽しみながら夏や秋には収穫した野菜を使ってバーベキューやピザ作りなどを行います。
・「社員が頑張っていた」、「親切にしてくれた」、「お客様が喜んでくれた」などを社内で共有する「サイコー・グッドニュース」を運用。毎月集約し、良い活動については「グッと来たで賞」と題して朝礼で表彰を行います。これにより社員同士が褒めあう仕組みが生まれ、コミュニケーションが良くなりました。
・業務改善レポート「ワンステップ・レポート」。合言葉は「1人の100歩より100人の1歩」。社員が実行した小さな業務改善をレポートにまとめ提出。月ごとに集約し優れた取り組みについては「ナイスステップ賞」として1,000円分のクオカードを贈呈しています。大きな業務改善を狙わず小さな業務改善をたくさん集めることに重点を置いているため、正社員だけでなくパート社員も積極的に投稿してくれます。ちょっとした仕事のやりやすさの改善もありますが、年間で数十万円のコスト削減につながるものもあります。
【社員の待遇改善】
・社員の待遇改善の一環として人事評価制度の見直しを行いました。業績評価基準の明確化、役職・役割の昇格基準の明確化などを行い社員のモチベーションアップを図りました。その他、社員の家族をサポートする取り組みとして、家族手当の大幅見直しを行いました。大学卒業時まで子供一人当たり10,000円~40,000円支給しています。これにより子供が大学を卒業できるまで安心して働くことができるようになりました。
【高齢者と障がい者の積極雇用】
・弊社の資源化センターに勤務しているパート社員24名の平均年齢はなんと68歳! 現在の最高年齢は80歳と元気でハツラツと働ける職場があります。皆豊富な経験を活かしつつ暑い日も寒い日も廃棄物の選別作業に粘り強く取り組んでくれています。
・障がい者雇用も積極的に実施。新卒採用も高校生から職場実習を重ねながら丁寧に進め、採用しています。入社式も歓迎ムード満載で思い出に残るものになりました。
資源化センターは高齢者も障がい者も含めて老若男女、多様な人材が活躍しています。
現在では様々な活動が行えていますが、最初からすべてできているわけではなく、少しずつできるところから増やしていったところ。また、どうすれば社員が理解して、会社と一緒に楽しく取り組んでくれるか、仕組みづくりに苦労しました。
取り組み始めて、離職が減ってきています。特に家族手当の大幅増額は働き盛りの子育て世代の社員の離職に大きく貢献しています。
また、中小企業の取り組みとして多方面から評価をいただき、企業価値が上がったと感じます。特に平成29年度に仙台市から「四方よし企業大賞」で大賞をいただき、採用活動もしやすくなりました。
今現在は有給取得率の向上のため、積極的な人材確保を行っていきます。それと同時にIT活用による自動化などを推進していく必要を感じています。また、「働き方改革」という言葉だけにとらわれず、企業価値が向上する取り組みになるよう意識することが大切と感じています。
会社名 | 株式会社サイコー |
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創業 | 昭和48年12月 |