優良企業の紹介

誇りを持って働ける環境づくりと積極的な設備投資
従業員目線の改革で、特殊性を活かした持続可能な働き方を実現

東軌工業株式会社

  • #業務繁閑に応じた休業日設定
  • #年次有給休暇の計画的付与
  • #記念日等年次有給休暇
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  • #IT導入
  • #コミュニケーション改善
  • #オフィス改善
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お話をお伺いした方

  • 代表取締役社長/加藤友啓さん
    「安心して働ける、家族も喜んでくれる、そこに働き方が付いてくると考えています」
  • 担当課長/加藤光厳さん
    「管理や見える化への抵抗も少なくなり、働く人が平等に扱われる職場になりました」
  • 従業員/五十嵐一茂さん
    「地域に貢献できる職場を探し、東軌工業を選びました」

安全に人を運ぶ上でなくてはならない「鉄道設備のメンテナンス」を行う「東軌工業株式会社」。列車の運行がない夜間が主な勤務時間ということもあり、働き手の定着や雇用に困難が伴う仕事でもあります。そんなマイナス面をプラスに転換しながら、従業員の目線の小さな見直しを積み重ねることで、ひとりひとりが誇りを持って働けるようになったとのこと。結果、働きやすさ、仕事の質の向上にもつながり、業界のあたり前を改善できていると感じているそうです。さらなる「企業価値の向上」を目指す、今の取組みと未来の展望についてもお伺いしました。

Interview企業インタビュー

Q1「みやぎ働き方改革実践企業」認証までのプロセスや、このような制度活用のメリットと感じていることを教えてください

代表取締役社長の加藤友啓さん

加藤友啓さん:2019年2月に厚生労働省「キラリと光る取り組み賞」を受賞し、それまでの取組みが形になったことは「みやぎ働き方改革支援制度」へのチャレンジのきっかけとなりました。基本的に夜間作業という特殊性により敬遠される業界ですが、このような認証を受けることで、働き手に選ばれる効果に繋がっていると実感しています。自社のメリットを語りやすくなり、会社の知名度も徐々に上がっていると思います。

加藤光厳さん:働き方改革に具体的に取り組むことができ、古いあたり前が徐々になくなったという実感もあります。社員の意識が大きく変化し、以前に比べ会社の業務も効率的に進むようになっています。

Q2「社員の意識改革」に力を入れて取り組んだとのことですが、どんな取り組みが意識改革に繋がったと感じていますか。

担当課長の加藤光厳さん

加藤光厳さん:鉄道設備のメンテナンスの仕事は、夜間作業がメイン。また、最終列車から始発列車までの時間に必ず終わらせる必要があるハードな仕事です。加えて「働いてなんぼ」があたり前という意識も根強く、様々な面で「標準的な働き方」とは大きく違いがありました。

あいまいになっていた個々の勤務パターンをしっかり見える化するところからはじめ、課題と向き合いました。有給休暇を勤務パターンに合わせて使えるようにしたり、工事規制で仕事ができない期間は一斉に休業するなど、実情に合わせて整理し独自の有休制度も作りました。様々な工夫で誰もが遠慮なく休みが取れるようになったこと、勤務の見える化と整理をしたことで無駄な超過勤務が無くなったことなどが、社員の意識改革にも繋がっていったと思います。

加藤友啓さん:複雑だったり、日給だったりする古い勤務形態のままではなかなか不満が解消できない。やはり、時代に合わせて会社も変わっていく必要がありました。それを伝えるために就業規則をより細かく整理したり、作業所長に理解してもらうため会議で課題の情報共有や勉強会をしたり。負担軽減を追求して設備投資も積極的に行ってきました。新しい働き方の浸透にはだいぶ時間を要しましたが、具体的な成果を出して働いてくれる人たちに還元したいという思いですすめたことが、従業員にも伝わったのではないかと思います。

Q3働きやすい職場づくりが多様な雇用に繋がっているようです。特徴的な事例を教えて下さい。

列車見張り員の五十嵐一茂さん

加藤光厳さん:2018(平成30)年入社の五十嵐君は、体に先天的な障害がありますが意欲を持って業務にあたっています。「みやぎ働き方改革実践企業認証」の際、「独自の取組み」として彼の事例を取り上げました。はじめは検査や補助などの簡易な業務を中心に、体を使う業務にも参加していましたが、列車の監視や仲間の命を守るための「列車見張り員」の資格を取って活躍するようになり、より彼の強みが活かされるようになりました。

五十嵐一茂さん:地域に貢献できる企業を志望し、東軌工業株式会社にたどり着きました。安全にお客様を運ぶための仕事であり、大震災のような有事にも先頭を切って働く仕事というイメージに誇りを感じています。もともと鉄道が好きなので、複雑なダイヤなどを把握して働く「列車見張り員」は自分に適していました。電車に乗ったり、撮影に出かけたりする趣味を無理なく続けられる働き方にも満足しています。

加藤友啓さん:資格取得で給与が変動する仕組みを取り入れ、従業員にも常に公開しています。夜勤中心なので昼の時間や有休をうまく組み合わせることで、彼のように趣味と仕事の両立も可能です。「予備自衛官協力事業所」として、1名ではありますが年間30日の訓練を勤務として扱うことも実施しています。従業員の働きやすさを追求した結果、このように多様なニーズに応えられるようになりました。

Q4今後はより「企業価値」を向上させたいということですが、どんなことを実現したいと考えていますか。

加藤光厳さん:現場作業の機械化を推進させ、安全性の向上や作業負荷を軽減させたいと考えています。これも従業員の働きやすさが目的。必然的に仕事の質も上がって行くだろうと思っています。

加藤友啓さん:五十嵐君の事例では「彼を守ること、彼が皆の命を守ること」を同時に叶えることができました。また、「カッパを干す場所が欲しい」などという働く人の細かい声を拾うことも重要と考えています。このように、働く人のニーズに応えることで環境が整っていき、それが「企業価値」に直結する。安心して働きに来てもらえて、家族にも喜ばれる、そこには必ず働き方がついてきます。すべてが包括されて企業価値向上になると考えていますので、働き続けてもらうための工夫を絶やさず続けていきたいと思います。

まとめ(編集後記)

「体を張る仕事だからこそ、働く人のニーズをとことん考える」という姿勢を貫く「東軌工業株式会社」の取組みから、危険が伴う仕事も雇用者と従業員が力を出し合って安心・安全を作っていくことができると知りました。働く人々の安全・安心が守られることで、県民の安全・安心も守られているのだと感じることができたインタビューでした。