世界的金融危機・リーマンショックが起こった2008年9月に創業。汎用性のある人事評価システムを活用して、組織変革に欠かせない「教育・評価・タレントマネジメント」の支援をしている企業です。「目標に挑戦できる健全な社会をつくる」という言葉をミッションに掲げ、自ら先進的な取り組みにトライして制度化。それをサービスに応用してクライアントにも提供しながらブラッシュアップを重ねているということ。創業の瞬間から数々の働き方改革にチャレンジし、歩みを止めずに進んできた「あしたのチーム」ならではの考え方についてお伺いしました。
臼田大輔さん:当社は「働き方改革をしましょう」と顧客に伝える立場なので、事業計画に毎年新しい取り組みを加えて実践、改善するということを繰り返し、創業当時から積み上げてきました。先進事例は積極的に取り入れて活用することで、自社の成果をサービスに反映してクライアントにシェアできます。人事評価サービスは提供するだけでなく、弊社スタッフが伴走しながら運用もサポートしていますので、そこから新しい気付きやアイディアが生まれることもあります。
導入を検討していたフレックスとリモートの制度導入を「みやぎ働き方改革宣言」申請時の目標としましたが、緊急事態宣言下で本格的に導入することができ、現在はほぼフルリモート、フルフレックスの状態になっています。むしろもっと早くからフレキシブルな働き方が必要だったと感じていたので、コロナ禍で実現できたという感じです。
zoomやスラックなどのツールを活用し、どこにいても全社員がコミュニケーションできる体制
大森美緒さん:支社毎にチームとして動くということではなく、代表や役員も含め、全社員でひとつのチーム。一人一人が自立して、場所を問わずに働けるというのが当社の強みです。エリアだけでなく、年齢、キャリア、時間などの枠にとらわれることなくいかに成果に繋げられるかを突き詰めることが弊社の商材のテーマでもあるので、支社にも固定化された役割を持たせる必要がないと感じています。
臼田大輔さん:トップはリアルタイムでのコミュニケーションを大事にしていて、毎朝の朝礼はzoomで開催し、全社員がリモートで参加します。日常的なコミュニケーションはスラックを活用していますが、社長や役員からもバンバンメッセージが入ってきて、全社員が直接コミュニケーションできる状態。活動場所に関わらずチームの一員として自分が存在しているという感覚は、皆きっと持ってくれていると思います。このような体制なので、全員が「どこでも働ける」というイメージだと思いますね。
リフレッシュ休暇の一環として、サテライトオフィスを活用した「ワーケーション」にも取り組み始めました。条件はありますが、社員がワーケーション制度を利用する場合には一定額の費用を支給します。ある社員は、家族でサテライトオフィスに滞在し、1週間は仕事、1週間は家族で楽しむ、というような形で制度を活用していました。場所や時間の制約を外すことで、よりワーク・ライフ・バランスを充実させることができる。先進事例を先取りして体験することで、見えてきたものをサービス化し、クライアントにも提案したいという思いでチャレンジしています。
臼田大輔さん:社会から目指されるような立場になりたいという、「あるべき姿」に紐づいています。社会的にも価値観や実際の働き方が大きく転換するタイミングで、少しでもヒントになる情報を提供できればと思いました。自社の事業に直結することよりも、我々の取り組みが社会に認知され、日本の働き方を変えていくことに役立ってほしいという願いが背景にあります。
長期雇用など日本に根付いた良い風土を残しながら、この国に適した働き方を見出していきたいという思いもあります。ジョブ型雇用や副業など、社会制度の問題から日本全体で考えていかなければならない課題もあります。皆さんとともに考え、より具体的にアクションしていけたらと感じています。
大森美緒さん:当社は本当に年齢、性別、キャリアの枠がなく、働き方でそれを解決している会社だと思っています。女性活躍の視点から見ても、入社当時から印象は変わりません。「みやぎ働き方改革支援制度」の話があった時も、対象になると思い申請しました。社員の半数以上が女性であり、制約があっても働ける環境です。経営層は男性が多くそこは課題ではありますが、リーダーを目指す女性社員もいます。今後も個々の働き方をブラッシュアップしながら、より会社として幅が広がっていくと感じています。
臼田大輔さん:今後も大きく変化していく社会に対応していきたい、という思いです。場所や時間にとらわれない新しい価値を高めていくことで、制約のある人たちがもっと活躍できる。有能な人材がどこにいるかは未知ですし、労働人口が減少すると捉えるよりも、今働けない人たちをどう活用していくかを考えることは大事なテーマだと考えます。
また、ダイバーシティが進むことでさらに多様な価値を自社に取り入れることができ、おのずとサービスも充実するはずです。人事評価は人の価値観が反映されるもの。そこに多様な価値を生み出すということを、意志を持って進めていきたいと思います。
支社・チームのあり方、課題の捉え方、描く未来など、あらゆるものを新しい視座から見ていて、固定概念にとらわれない発想、時代の変化をプラスに転換する姿勢が印象的でした。また、日本型雇用の良さを活かそうとするバランス感覚からも学ぶものがあります。困難な時代の乗り越え方について深く考えさせて頂いたインタビューでした。